パズドラ&モンストの神話元ネタ調査日記

パズドラやモンストなどゲームに登場するモンスター達の起源を求めて、今日も今日とてネットの海へ漕ぎ出すぶろぐ。ただいまはバジリスクとコカトリスの元ネタを調査中。

パズドラ&モンスト元ネタ解説:その6『中世百貨事典のバジリスク』

 前回のあらすじ!

n番煎じ乙。

大体合ってるが補足すると、バジリスクは紀元200年頃に雄のニワトリの鳴き声を聞くと死ぬという弱点が増え弱体化してしまったことはわかった。
(でもよくよく考えてみればイタチに負けてる時点でそんなに強くないのかもしれない)

本日はバジリスクの姿がニワトリになっていった経緯を説明する。
・・・主に中世動物譚からの引用で!

紀元前の俗信から博物誌、フィシオロゴスを経て12世紀ごろの中世ヨーロッパでは数々の動物寓意譚が大流行していた。

そんな中、学者達が作り出した百貨事典に、バジリスクはこう記述されているのである。

中世の百貨事典の「バジリスク」

「雄鶏が年老いて卵を産むと、それをヒキガエルがひなにかえす。するとバシリスクが生まれてくる」 ────ネッカム『事物の本性について』第1巻75節

この『事物の本性について』という本は、12世紀ごろのイギリスの学者・自然研究者だったネッカムという人物が書いたもの。中世百科全書の一つで、記述の価値は高いと言われているそうだ。
(参考元:Barbaroi!

動物寓意譚で語られていたバジリスクは、今で言う動物百貨事典的なものに紹介されている。そして遂に!

『バシリスクが雄鶏から生まれることがある。というのは、たいへん年老いた雄鶏が卵を産むと、そこからバシリスクが生まれてくるからである。だが、それには多くの条件が整わなければならない。まず、老いた雄鶏が温かい土中深くに卵を産む。そこで雄鶏の助けなく卵がかえる。長時間ののち、ひな鳥が生まれ、強くなる。子ガモがいつもそうするようにである。だが、このひなにはへビのような尾がついている。身体の他の部分は雄鶏のようだ。この誕生を目撃した人によれば、その卵は殻がなく、強い皮である。とても強いため、どんなに強く打ちつけても壊れることはない、ということである。へビあるいはヒキガエルが、この卵をかえすという考えの人もいるが、たしかなことではない。しかしながら、ある種のバシリスクが年老いた雄鶏の卵から生まれるということは、古代人の書き残したものにある』 ────ヴァンサン・ド・ボーヴェ『自然の鏡』Spec. Nat., XXI, 24) 

 これはフランスの学者、ボーヴェのヴァンサン(1190-1264)が編纂した中世最大の百科事典『大いなる鑑』に載っているバジリスクの記述である。(自然の鏡はその中にある)(参考元:Barbaroi!

今で言うと広辞苑のような存在の中世最大の百貨事典に「バジリスクの体は雄のニワトリ」と描写されているではないか!!

バジリスクがニワトリ型モンスターに進化した瞬間である!

中世動物譚によると、
ボーヴェのヴァンサンが言っている「バジリスクが雄の鶏から産まれると書き残した古代人」はベーダ師という人のことらしい。この人は730年頃の超偉大な聖人で偉大なるベーダってwikiに項目があるぐらい凄い人。

実際に英語版wikiのバジリスクの項目をヤフー翻訳してみると、この偉大なるベーダが「年をとった雄鶏によって卵からバシリスクの出生の伝説を証明する最初の人物だよ!」みたいな文章が出てくる。

どのような文献で述べているかはネット上では見つけられなかったが、この偉大なるベーダさんが書いた著作の中にそういう記述があるのだと思われる。

更に英語wikiのページには、この頃他の著作にて「シリウスが輝く夜、雄の鶏が産んだ卵がバジリスクになるよー」みたいな内容が記述されていたんだとか。

この記述が確かなら700年ごろには既にバジリスクは雄の鶏から生まれるといった伝説があったことになる。

それらの伝説から12~13世紀に中世ヨーロッパで著名人が作った百貨事典に「バジリスクは体は雄のニワトリでしっぽはヘビ」という文章と共に記述され、一般にもその姿が広く流布していったのだろうか?

 そしてコカトリスと融合していった・・・とするならば、コカトリスはどこからきたのだろうか?
13世紀ごろの文献にまだコカトリスは出てこない。
が、既にバジリスクはニワトリの姿として百貨事典に紹介されている・・・
これは一体どういうことだろうか?

次回はその謎に迫る!
と言いたいところですが、ネットでバジリスクの名前が載っている文献を片っ端から調べまくったところ、面白いものがいくつかあったのでそれをちょろっと紹介したいと思います。それでは!